認知症の種類

認知症の種類

アルツハイマー型認知症(AD)

物忘れが中心となりますが、進行すると見当識障害、構成障害が見られるようになり日常生活に支障をきたします。BPSDという精神症状も目立つようになります。進行予防の薬を処方します。

脳血管性認知症(VaD)

脳卒中が原因で注意障害、記憶障害、失行症状が起こります。小さな梗塞でも起こることがあり、麻痺がないまま脳虚血が進行して注意障害が中心症状となっている人もいます。脳卒中予防や脳血流改善剤で治療します。

レビー小体型認知症

パーキンソン症状や認知機能の変動、幻視、錯視、夜間のレム関連症状(夢を見ながら大声で叫ぶ)が見られます。投薬治療やリハビリを行います。

前頭側頭型認知症(FTD)

意欲低下、興奮、反社会的行動などの行動異常が目立ちますが、言葉の症状が中心の進行性非流暢性失語(PNFA)や意味性認知症(SD)というものもあります。薬が効きにくいためリハビリを行っています。

嗜銀顆粒性認知症(AGD)

以前は年齢によるものと言われていたもので記憶障害は軽度で進行もゆっくりです。興奮状態になりやすい人もおられるので、穏やかに対応することが大事です。

その他

脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、甲状腺異常、ビタミン欠乏症、発達障害、プリオン病などがあります。手術や投薬により改善することもあります。

認知症の進行予防

薬物治療も重要ですが、薬に頼らずに生活療法を行うことも重要です。
基本的には一人で黙々と何かの課題を行うのではなくて、複数の友達と出かけたり話したりゲームをしたりして多くの人とかかわるのが最も大事です。
脳が萎縮していても症状が全くない人もいます。そのような人は認知予備力が高い人で脳の別の場所が補ってくれているので症状が出ずに済んでいます。
何かのきっかけ(入院、肺炎、脳卒中、せん妄、環境の変化など)で突然認知症が発症することがあります。
できるだけこれらの状況にならないように日頃から取り組みましょう。

生活習慣病の予防

・脂質異常症、糖尿病、高血圧、動脈硬化の治療、予防をしっかり行う
・アルコールは控えめに
・禁煙
・栄養はしっかり取りましょう
・脳卒中にならないように
・頭部外傷もならないように
・運動をしましょう

認知刺激療法

新聞・雑誌を読む、トランプやクロスワードパズルなどのゲームをする、博物館へ行く、楽器の演奏、クラブ活動など知的な趣味活動や散歩、スポーツ(エアロビクス、水泳など)、ハイキングなどのアウトドア活動など身体的な趣味活動、コグニサイズ

・好きなことを行なって意欲を高め、ほめて皆で喜ぶこと(1人ではやらせないこと)
・役割を持たせ、周りの人が良くなってほしいと熱心に関わることが重要
・できることを行ってもらい、決して、強制してはいけない
・ゴールを決めないこと ショートゴールを設定する
家族の協力、参加が必要です

・地中海料理(野菜、豆、シリアル、オリーブオイル、魚、乳製品、肉が少ない、赤ワイン)がよい
・ビタミンB6、B12(レバー、カキ)が多い食事
・1合以下のアルコール、緑茶を飲むこと
・歯がたくさんあること
・可愛いと思うこと
・恋をすること
・ときめき、わくわく感をもつ
・日記を書く
・聴力低下、視力低下の改善
・人生の目標を持つこと
・孤独感を感じないように
・30分以上の昼寝をしない