脳神経内科疾患

脳神経内科

脳や脊髄の中枢神経や末梢神経、筋肉などの病気を診察、治療を行う内科です。大脳、脳幹、脊髄、末梢神経、神経筋接合部、筋肉まで頭のてっぺんから足の先まで体の全体を扱います。精神科や心療内科とは違い、実際に損傷した神経組織の治療にあたります。うまくしゃべれない、うまく手が動かせない、うまく歩けないなど私たちが日頃は何気もなくできていることが病気になって初めて出来ない事に気づくことになります。そのような時に診断、治療を行う科です。

脳神経内科の疾患について

(1)脳卒中

 脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血の治療、リハビリを行ないます。麻痺や失調症状、失語症などの
 高次脳機能障害を治療します。

(2)脳腫瘍、頭部外傷

(3)変性疾患

 ・認知症(アルツハイマー型、前頭側頭型認知症、レビー小体病)

 ・パーキンソン病や多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症
  手のふるえや動きが遅い、歩行障害、不随意運動などの症状があります。

 ・脊髄小脳変性症
  手足がうまく動かせない、歩行時のふらつき、うまくしゃべれない

 ・筋萎縮性側索硬化症
  全身の筋肉が萎縮して筋力低下となります。四肢の動かしにくさ、しゃべれない、飲み込めない,
  呼吸が苦しくなる

(4)炎症性疾患

 髄膜炎、脳炎、神経梅毒などがあり抗生剤で治療 プリオン病

(5)脱髄疾患

 多発性硬化症、視神経脊髄炎など比較的若い人い多い病気で視力低下、眼球運動障害、筋力低下、
 小脳失調、感覚障害等多彩な症状がでます。ステロイドや免疫抑制剤等で治療を行います。

(6)脊髄疾患

 変形性頚椎症、ヘルニア、腰椎症等でしびれの訴えの人が多いです。

(7)中毒、代謝性疾患

 ビタミン欠乏症や代謝性の疾患 欠乏の補充療法を行います。

(8)末梢神経障害治療

 ギランバレー症候群や慢性炎症性脱髄性根神経炎(CIDP)、ニューロパチー等の疾患があり点滴治療や
 リハビリを行います。

(9)神経筋接合部、筋疾患

 重症筋無力症、筋炎はステロイド、免疫抑制剤の治療を行います。
 筋ジストロフィー 症状や進行程度に応じて対応、リハビリを行います。

(10)頭痛、めまい、痛み、てんかん発作、ふるえ

(11)その他

 内科疾患に合併するような神経症状を治療

ボトックス治療

眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頚、上下肢痙縮の人で薬物療法の効果が乏しい人、手術療法を希望されない人にボトックスの注射療法を行っています。効果持続期間が短いので定期的に注射する人もいます。

まず、病歴でいつからどのような症状があるのかをきいてから神経学的な診察を行います。検査では血液検査、頭部CT、MRI検査、必要があれば髄腋検査、神経伝導検査、筋電図検査等を行います。また、脳血流検査を近医に依頼することもあります。

診断がつけば治療を開始しますが、進行性の病気の場合効果のある治療薬が望めないこともあります。その場合、リハビリテーションや社会資源を使って在宅生活が維持できるように助言していきます。医師、看護師、リハビリスタッフ、家族、訪問スタッフ、ケアマネージャー、保健福祉事務所等の他職種が連携してその時の状態に最も適した支援を話し合いながら実行しています。治療にあたっては本人の意思を尊重し、どこでどのように生活をするのが最も本人のためになるかを考えます。