緩和ケア

メッセージ

緩和ケアとは、「がんの進行度・病状に関わらず、がんと診断された時から受けられる心身的なケア」とされています。診断時から治療と並行して行われるべきものとされ、治療中からがん終末期まで受ける事が可能です。緩和ケアの目的は、「患者の苦痛を和らげること」です。がんを治療する中で発生する痛みや将来への不安に対し、薬剤の処方やカウンセリングなどを通して、その人らしい生き方ができるようサポートしていきます。
一方、緩和ケアと似たようなものに「ターミナルケア」というものがあります。ターミナルケアの目的は、「終末期患者に対し、全人的なサポートを行うこと」とされています。つまり、「回復が見込めない患者の痛み、不安を取り除くケア」と定義されており、治癒が望めなくても「その人らしい人生」を最後の時を迎えるまで穏やかに過ごせるようサポートをしていきます。緩和ケア専門病棟への入院の条件は、将来的には癌以外の疾患でも入院できるような体制の整備が必要になってくると思われますが、今のところ癌患者である事が原則となっています。当院では、緩和ケア外来と緩和ケア病棟がありますので、何かお困りの場合などございましたら、遠慮なくお尋ねください。

緩和ケア外来

当院では、週に2回の外来診療をしておりますが、初めて受診される場合には予約が必要となっておりますので、事前にお問い合わせください。可能な限り主治医からの紹介状が必要ですので、当院を受診される前に一度現在の受診先に問い合わせる事をお勧めしております。緩和ケア外来は、入院前の患者さんだけでなく、緩和ケア病棟でケアを受けていた患者さんが、退院後に引き続き外来でケアを受けることも可能です。がんの治療がひと段落した後でも、体調や今後の事などに不安を覚えるケースもありますので、退院後も緩和ケア外来を活用してみることもいいかもしれません。また。緩和ケア外来では、訪問診療の医師や訪問看護スタッフとも連携して、在宅での緩和ケアに移るためのサポートも行います。患者さんだけでなく、家族の心身のケアも行うこともできますので、ぜひお問い合わせしてみてください。

緩和ケア病棟(花音病棟)

当院の緩和ケア病棟は、通称“花音病棟”と呼んでおります。2002年4月に佐賀県で2番目に開設した病棟で、当初は14床で開設、2009年には18床へ増床となり、これまで多くの患者さん、ご家族に利用していただきました。緩和ケア病棟では、抗がん治療、透析を含む血液浄化などの治療は行いませんが、医師や看護師を中心としたスタッフが患者や家族と方針を十分に話し合いながら、心身の辛さを和らげる治療やケアを進めて参ります。当院では、医師、看護師をはじめ医療ソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士、音楽療法士、栄養士などが協力し、チームとして患者さんやご家族のニーズに応えていきます。一般病棟に比べて医師や看護師が患者のベットサイドに行く時間が取りやすいため、患者の病状や抱えている不安をこまめに相談できる利点があります。当院は、全室個室でありプライバシーが守られた環境で家族や友人と穏やかな時間を過ごすことも可能です。最近では、強い痛みなど外来通院ではその治療が難しい患者さんも緩和ケア病棟で入院治療を受け、症状が緩和されれば退院し、自宅療養される患者さんも増えてきました。一度入院したら退院できないのではなく、症状が強い時期には入院の上で緩和治療を行うことも穏やかさを取り戻す早道かもしれません。ぜひ、一度ご相談ください。